11 「蓮如上人御文」 三通

「由緒書言上書」に、『蓮如上人御文 三通 実如上人真筆』とある。

 蓮如上人御文は、蓮如が門徒に書き与えた消息体の法語で、文明三年(一四七一)から明応七年(一四九八)までの五八通と年次不明の二二通を五帖に編集し、五帖の御文と呼ばれる。円如(実如の第三子)の編と伝えるが、本願寺九世実如の手によったようで、証如(本願寺十世)がはじめて開版した。

 数種の御文が現在所蔵されているが、実如上人真筆と思える蓮如上人御文は現存しない。